HPLC Chromaster(クロムマスター)-陰イオン界面活性剤の分析-
陰イオン界面活性剤は、その発泡性により浄水工程を妨害することが指摘され、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5成分(C10:デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C11:ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C12:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C13:トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C14:テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の合計で0.2 mg/L(各成分 0.04 mg/L)が基準値とされています。検査方法は、告示の別表第24「固相抽出-HPLC法」として定められています。
以下に各成分 1 mg/L (基準値0.04 mg/Lの1/10相当を前処理で250倍に濃縮)の分析例について紹介します。
陰イオン界面活性剤の分析
試料:
アルキルベンゼンスルホン酸(合成洗剤の有効成分)
固相抽出手順:
NOBIAS RP-OD1
逆相型のポリマー系カラムで、親水性メタクリレートの基材に、オクタデシルシリル基を結合した構造の固相充填カラムです。
陰イオン界面活性剤の構造式:
装置構成:
Empower2 データ処理システム
分析条件:
カラム | HITACHI Inertsil ODS-3(3 µm)(4.6 mmI.D.×150 mm) |
溶離液 | 0.1 mol/L 過塩素酸ナトリウム-(CH3CN:H2O=65:35) |
流量 | 0.6 mL/min |
カラム温度 | 40 ℃ |
検出 | FL Ex 221 nm、Em 284 nm |
注入量 | 20 µL |
標準試料測定結果:
C10BS:デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム Sodium Decylbenzenesulfonate |
C11BS:ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム Sodium Undecylbenzenesulfonate |
C12BS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム Sodium Dodecylbenzenesulfonate |
C13BS:トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム Sodium Tridecylbenzenesulfonate |
C14BS:テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム Sodium Tetradecylbenzenesulfonate |
別の検査項目である、非イオン界面活性剤分析の前処理で用いられるトルエンが、陰イオン界面活性剤の分析に影響を与えることがあります。
溶出条件検討の結果、本分析条件では、トルエンはC12とC13の間に溶出するため、定量への影響を排除した精度の高い分析が可能です。
トルエンとの分離の確認:
分析条件:
カラム | HITACHI-Inertsil ODS-3(3 µm)(4.6 mmI.D.×150 mm) |
溶離液 | 0.1 mol/L 過塩素酸ナトリウム-(CH3CH:H2O=65:35) |
流量 | 0.6 mL/min |
カラム温度 | 40 ℃ |
検出 | FL Ex 221 nm、Em 284 nm |
注入量 | 20 µL |
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。