HPLC Chromaster(クロムマスター)-農薬4成分の一斉分析-
「水質管理目標設定項目」に指定された農薬のうち、イプロジオン、アシュラム、チオファネートメチル、シデュロンの4成分の測定は、HPLC一斉分析もしくはLC/MS法と決められています。
測定精度は目標値の1/100(0.003 mg/L、アシュラムは0.002 mg/L)を変動係数20%以内で測定することが定められています。前処理で500倍濃縮とするため、HPLCで測定すべき濃度は、1.5 mg/L(アシュラムは1.0 mg/L)となります。高感度なDADシステムにより充分な測定が可能です。分析条件の検討は、「別添方法9」に準じて行いました。(テクニカルデータNo.187参照)
以下に分析例について紹介します。
農薬4成分の分析
成分名と目標値:
農薬名 | 成分名 | 分子式 | 用途 | 目標値 (mg/L) |
イプロジオン Iprodione |
3-(3, 5-dichlorophenyl)-N-isopropyl-2,4-dioxoimidazolidine-1-carboxamide | C13H13Cl2N3O3 | 殺菌剤 | 0.3 |
アシュラム Asulam |
methyl sulfanilycarbamate | C8H10N2O4S | 除草剤 | 0.2 |
チオファネートメチル Thiophanate-methyl |
dimethyl 4, 4' -(o-phenylene) bis (3-thioallophanate) | C12H14N4O4S2 | 殺菌剤 | 0.3 |
シデュロン Siduron |
1-(2-methylcyclohexyl)-3-phenylurea | C14H20N2O | 除草剤 | 0.3 |
試料調整:
標準溶液:0.2~20 mg/Lになるように、アセトニトリルで調製。
固相抽出手順:
NOBIAS PR-SG1
逆相型のポリマー系固相充填カラムです
標準試料測定結果:
試料濃度:各成分 1.0 mg/L
装置構成:
Empower2 データ処理システム
カラム | HITACHI LaChrom C18(3 µm)(4.6 mmI.D.×150 mm) |
溶離液 | 50 mM リン酸ニ水素カリウム(pH3.0)/アセトニトリル=45/55 |
流量 | 1.0 mL/min |
カラム温度 | 40 ℃ |
検出 | DAD 270 nm アシュラム 230 nm チオファネートメチル、シデュロン(1)(2)、イプロジオン |
注入量 | 10 µL |
直線性:
濃度0.2~20 mg/Lで、良好な直線性を示しています。
アシュラム R2:0.9998、チオファネートメチル R2:0.9999
シデュロン(1) R2:0.9999、シデュロン(2) R2:0.9999、Iprodione R2: 0.9999
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。