HPLC Chromaster(クロムマスター)
-アミノ酸分析の紹介(Chromaster OPAポストカラム標準分析法)-
自然界に存在するアミノ酸は数百種類あることが知られていますが、タンパク質やペプチドを構成するアミノ酸は約20種類です。このアミノ酸を対象とした分析法を日立ハイテクでは、「標準分析法」と呼んでいます。それに対し遊離アミノ酸約40成分を対象とした分析法を「生体液分析法」と呼んでいます。
またアミノ酸はUV吸収が弱いため、通常は誘導体化して測定します。カラム溶出後反応試薬を混合するポストカラム法の誘導体化試薬には、ニンヒドリン(NIN*1)とオルトフタルアルデヒド(OPA*2)があり、それぞれ異なった特徴があります。
今回は、タンパク質加水分解アミノ酸を対象とし、OPA試薬を用いたポストカラム法を紹介いたします。OPAは蛍光誘導体化試薬で、感度が高いことが特長です。その半面、試薬の寿命が短く、使用する水の純度にも気を配る必要があります。
*1 NIN:ニンヒドリン(ninhydrin)
*2 OPA:オルトフタルアルデヒド(o-phthalaldehyde)
アミノ酸分析法の種類と特徴:
アミノ酸分析システム(OPAポストカラム法)
アミノ酸標準試料測定例
No. | 各ピークの成分名 | No. | 各ピークの成分名 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | Asp | Aspartic acid[アスパラギン酸] | 10 | Met | Methionine[メチオニン] |
2 | Thr | Threonine[スレオニン] | 11 | Ile | Isoleucine[イソロイシン] |
3 | Ser | Serine[セリン] | 12 | Leu | Leucine[ロイシン] |
4 | Glu | Glutamic acid [グルタミン酸] | 13 | Tyr | Tyrosine[チロシン] |
5 | Pro | Proline[プロリン] | 14 | Phe | Phenylalanine[フェニルアラニン] |
6 | Gly | Glycine[グリシン] | 15 | Lys | Lysine [リジン] |
7 | Ala | Alanine[アラニン] | 16 | His | Histidine[ヒスチジン] |
8 | Cys | Cystine[シスチン] | 17 | Arg | Arginine[アルギニン] |
9 | Val | Valine[バリン] |
標準分析法測定条件:
カラム | #2619PH 4.0 mm I.D. × 150 mm |
アンモニアフィルタカラム | #2650L 4.0 mm I.D. × 120 mm |
ガードカラム | #2619 4.0 mm I.D. × 5 mm |
溶離液 | 4液(クエン酸Na緩衝液3液、再生液1液) |
流量 | 0.4 mL/min |
カラム温度 | 57° |
反応液 | 2液(ホウ酸緩衝液-次亜塩素酸Na)(OPA溶液) |
反応液流量 | 0.65 mL/min、0.4 mL/min |
反応温度 | 57° |
検出波長 | FL Ex 340nm、Em 450 nm |
注入量 | 20 µL |
Proを除く16成分について、5~1,000 pmol/20 µLの範囲で寄与率0.9990 以上と良好な直線性を示しました。 Proは10~2,000 pmol/20 µLの範囲で寄与率1.0000 でした。
BSA加水分解中のアミノ酸測定例
前処理(加水分解):
分離用溶離液に3液を使用することで、分離の改善を図りました。特にIle-Leuの分離が向上しました。 BSA測定例において、Proは570 nmで検出が困難ですが、440 nmで同時に測定することで検出が可能になりました。
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。