HPLC Chromaster(クロムマスター)
-アフラトキシンM1の測定例-
食品を汚染するマイコトキシン(カビ毒)には、アフラトキシン、オクラトキシン、デオキシニバレノール/ニバレノール、パツリンなどがありますが、アフラトキシンは肝臓毒で、天然で最強の発がん性物質と言われています。自然界ではアフラトキシンB1、B2、G1、G2などが産生され、発がん性が強いのはB1です。これが体内で一部M1に代謝されることがわかっています。従って、アフラトキシンB1で汚染された飼料を牛が食べることで、その乳中にアフラトキシンM1が排出されることがあります。
米国や中国では乳・乳製品中のアフラトキシンM1試験法が国家標準として確立されています。一方、日本でも公定法化に向けた動きがあり、カビ毒試験法評価委員会で検討が進められています。 今回は、中華人民共和国国家標準「GB 5413.37-2010 乳・乳製品中のアフラトキシンM1試験法」の第二法であるHPLC-蛍光検出法を参考にしてアフラトキシンM1の測定をおこないました。
乳・乳製品中アフラトキシンM1 各国の規制値
日本*1 検討中 |
中国*2 | 米国*3 | |
規制値 | 0.5 µg/kg以下 | 0.5 µg/kg以下 | 0.5 µg/kg以下 |
*1カビ毒試験法評価委員会コラボラティブスタディプロトコル「乳中のアフラトキシンM1の分析法」
*2GB 5413.37-2010
*3AOAC Official Method 2000.8, Aflatoxin M1 in Liquid Milk, Immumoaffinity Column by Liquid Chromatography.
アフラトキシンM1標準試料の測定例
カラム | HITACHI LaChrom C18 (5 µm) 4.6 mm I.D. × 250 mm |
溶離液 | アセトニトリルル/水 =2/75(v/v) |
流量 | 1.0 mL/min |
カラム 温度 |
30℃ |
検出 波長 |
FL Ex 365 nm、 Em 435 nm |
注入量 | 10 µL |
0.1 ~ 40 ng/mLの範囲で寄与率1.0000と良好な直線性を示しました。
検出下限はGBに記載された検出下限0.02 ngを下回り、十分な感度を確認できました。また、20 ng/mLでの6回繰り返し測定時、ピーク保持時間再現性(%RSD)は0.064%、ピーク面積値再現性(%RSD)は0.80%と、良好な再現性が得られました。
薬局方ではカラムサイズ(4 mm I.D. x 125 mm)になっています。
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。