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HPLC Chromaster(クロムマスター)
-有機酸の高感度分析-

有機酸は、食品の味や風味を決定する成分としてよく知られていますが、食品分野だけでなく、医薬品、化学工業、環境分析、バイオ分野など、多くの分野で分析の対象とされています。
有機酸の分析法としては、UV検出法(カルボキシル基の吸収を検出)、電気伝導度検出法(イオン性物質を検出)の他、検出の選択性を高めるためポストカラム法として、pH指示薬による方法(酸性成分によるpH変化を可視吸収で検出)や誘導体化法が用いられています。
分析する試料や目的に応じて、分析法を選択する必要があります。

以下に、汎用性の高いUV検出システムと逆相カラム“LaChrom C18-AQ”*1を用いた、有機酸分析例についてご紹介します。

有機酸の分析

試料:有機酸標準試料
試料濃度 mg/L
1.酒石酸 500
2.ギ酸 1000
3.リンゴ酸 1000
4.乳酸 1000
5.酢酸 1000
6.ピログルタミン酸 100
7.クエン酸 1000
8.フマル酸 10
9.コハク酸 1000
10.プロピオン酸 1000

*1"LaChrom C18-AQ"カラム

LaChrom C18-AQ カラムのイメージ

ローカーボンODSカラム:
水系100%の溶液でも、安定した分析を実現するために、シリカ表面の疎水性を抑えたODSカラムです。
糖・核酸・有機酸などの高極性化合物の分離に有用です。

分析条件:

カラム HITACHI LaChrom C18-AQ(5 µm)(4.6 mmI.D.×250 mm)
溶離液 1mmol/L H2SO4 + 8 mmol/L Na2SO4(pH 2.8)
流量 1.0 mL/min
カラム温度 25 ℃
検出 UV 210 nm
注入量 10 µL

装置構成:

Empower2 データ処理システム

標準試料測定例:

標準試料測定例のデータ

直線性:
検量線は以下の濃度範囲で良好な直線性を示しました。
ギ酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、プロピオン酸:5~1000 mg/L、酒石酸:2.5~ 500 mg/L、ピログルタミン酸:0.5~100 mg/L、フマル酸:0.05~10 mg/L

検量線:

検量線データ
*酢酸5~1000 mg/L の検量線

試料分析例:[市販穀物酢] [リンゴ酢]
試料の前処理法:
純水で50倍希釈し、0.45 μmフィルタでろ過後、分析しました。

穀物酢のクロマトグラムとリンゴ酢のクロマトグラム

結果:
穀物酢、リンゴ酢ともに、酢の酸味の主成分である酢酸が検出されました。
また、リンゴ酢では、主に果物に含まれるリンゴ酸が検出されました。

カラム温度による分離パターンの比較検討:

カラム温度40℃と30℃

有機酸は、分析温度による溶出挙動が成分により大きく異なります。
ピログルタミン酸とクエン酸のように溶出順序が逆転する場合もありますので、注意が必要です。

注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。

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