HPLC Chromaster(クロムマスター)
-高感度DADによる純度試験(テオフィリン)-
日本薬局方は「医薬品の性状および品質などを定めた国定の医薬品規格書」で、通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法および医薬品各条ほかから構成されています。一般試験法の中には試薬・試液の項目があり、それぞれの試験法が規定されています。
ここでは第十六改正日本薬局方の一般試験法、試薬・試液に収載されているテオフィリンを取り上げました。純度試験(類縁物質)はHPLCUVでおこないます。まず規定された試験条件に基づきシステムの適合性を確認し、その後類縁物質の確認をおこないました。類縁物質の確認には、微小なピークを正確に把握する必要があるため、検出器の性能が重要なファクターとなります。日立高速液体クロマトグラフChromaster 5430 DADは低ノイズ・低ドリフトを実現し、高感度測定が可能です。
なお今回は、一般試薬のテオフィリンを用いました。
システム適合性の確認
カラム | Inertsil® ODS-3 (5 µm) 6.0 mm I.D.×150 mm (ジーエルサイエンス社製) |
溶離液 | 1%酢酸/メタノール=4/1(v/v) |
流量 | 1.0 mL/min |
カラム温度 | 40℃ |
検出波長 | DAD 220~400 nm(270 nm) |
注入量 | 20 µL |
*テオフィリンの保持時間が約10分になるように流量を調整する。
システム適合性:
第十六改正日本薬局方では、純度試験(類縁物質)のシステム適合性として、「検出の確認」「システムの性能」「システムの再現性」が定められています。以下に規定値と今回の測定結果をまとめました。いずれの項目も、この要求を満たす結果が得られました。
項目 | システム適合性 規定値 |
測定結果 | |
検出の確認 | (0.5 mg/Lピーク面積値/2.5 mg/L ピーク面積値)×100(%) |
15~25 | 20.0 |
システムの性能 | 理論段数(2.5 mg/L) | 3000以上 | 11592 |
シンメトリー係数(2.5 mg/L) | 1.5以下 | 1.06 | |
システムの再現性 | ピーク面積の相対標準偏差 (n=6)(2.5mg/L) |
3.0%以下 | 0.099% |
純度試験(類縁物質の確認)
カラム | Inertsil® ODS-3 (5 µm) 6.0 mm I.D.×150 mm (ジーエルサイエンス社製) |
溶離液 | 1% 酢酸/メタノール=4/1(v/v) |
流量 | 1.0 mL/min |
カラム温度 | 40℃ |
検出波長 | DAD 220~400 nm(270 nm) |
注入量 | 20 µL |
*テオフィリンの保持時間が約10分になるように流量を調整する。
テオフィリン以外に複数の微小なピークが確認されました。これら微小ピークの面積値は、テオフィリンのピーク面積値に対して、約0.001%相当でした。主要成分と極微量成分の同時分析が可能であることがわかります。
類縁物質の確認:
第十六改正日本薬局方のテオフィリン試薬の純度試験(類縁物質)は、濃度の異なる2種類のデータから結果を求めるよう定められています。低濃度溶液(標準溶液:2.5 mg/L)中のテオフィリンピーク面積値と、高濃度溶液(試料溶液:500 mg/L)中のテオフィリン以外のピーク面積合計値を比較して評価します。その結果、この要求を満たす数値が得られました。
第十六改正日本薬局方のテオフィリン試薬の純度試験(類縁物質)は、濃度の異なる2種類のデータから結果を求めるよう定められています。低濃度溶液(標準溶液:2.5 mg/L)中のテオフィリンピーク面積値と、高濃度溶液(試料溶液:500 mg/L)中のテオフィリン以外のピーク面積合計値を比較して評価します。その結果、この要求を満たす数値が得られました。
項目 | 規定値 | 測定結果 |
類縁物質の確認 | (1)標準溶液(2.5 mg/L)のテオフィリンのピーク面積値 > (2)試料溶液(500 mg/L)のテオフィリン以外のピーク面積合計値 (ただし面積値測定範囲は、テオフィリンの保持時間の約3倍) |
○ ((1)162037 > (2)1092) |
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。