OE750による銅中の酸素分析
銅は高い電気伝導率や加工性、耐食性を有していることから、工業分野をはじめとした様々な分野で使用されており、特に純銅はリード線や電線などに用いられています。
純銅の鋳造工程では、溶湯中の酸素と水素が反応して水蒸気ガスが生じることで、鋳造品に気泡ができ、品質が大きく低下してしまいます。そのため、酸素含有量は電子管用無酸素銅で0.001 %以下(JIS H3501)、その他の純銅でも同程度に抑えるようリンを脱酸剤として添加するなどの方法で成分の調整が行われます。
本資料では、固体発光分光分析装置OE750による銅中の酸素を含んだ各元素の分析例をご紹介します。
銅中の酸素分析
分析方法
光学系 | パッシェン・ルンゲ |
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焦点距離 | 400 mm |
回折格子溝数 | 2400 本/mm |
検出器 | マルチCMOS |
観察波長範囲 | 119~766 nm |
光学系雰囲気 | 中圧真空 |
認証標準物質 (CRM) |
BS Cu997 (Brammer Standard Company, Inc.) |
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前処理方法 (切削) |
精密卓上旋盤Compact 9(東洋アソシエイツ) 回転速度:100~2500(min-1) |
分析条件 | Cu_050(純銅分析用プログラム) |
分析結果
- OE750を用いて認証標準物質を10箇所連続で測定し、平均値(Avg.)を算出しました。
- 認証値のある全ての元素において、認証値と同等の結果が得られました。
- 銅中の酸素を迅速に分析することができます。
- 溶湯中の酸素除去のため添加されるPやAl, Siなどの測定も可能です。
表3. 認証標準物質の認証値および測定結果(抜粋)
表4. 認証標準物質の認証値および測定結果