固体発光分析装置による機能性金属の元素分析(Cu-Fe-Ti-Mg合金)
新型コロナウイルス感染症対策の一つとしてリモートワークが推進される中、電子機器類の需要が高まり、銅不足、銅の価格高騰といった状況がありました。このような中で、銅の売却を目的とした太陽光発電所の銅ケーブルや給湯器などの銅部品の盗難被害が報道されるようになりました。また、豊富な天然資源を有するロシアとウクライナ間の戦争により、鉱物資源の不足や供給懸念の高まりも、金属価格高騰の要因となっています。
このような状況への対策として、代替材の採用や機能性の向上が進んでおり、成分組成の調整や不純物元素の低減、製造工程の検討などを行うことで、物理的・機械的特性を改善・向上した合金が開発されています。
本資料では、柔軟な成分管理に有効なOE750によるCu-Fe-Ti-Mg合金の元素分析例をご紹介します。
Cu-Fe-Ti-Mg合金の元素分析
分析方法
光学系 | パッシェン・ルンゲ |
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焦点距離 | 400 mm |
回折格子溝数 | 2400 本/mm |
検出器 | マルチCMOS |
観察波長範囲 | 119~766 nm |
光学系雰囲気 | 中圧真空 |
試料 | Cu-Fe-Ti-Mg合金サンプル (Snめっき研磨後) |
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前処理方法 (研磨) |
卓上試料研磨機IM-P2 (IMT) 回転速度:50~400 rpm |
分析条件 | Cu_050 (純銅用分析プログラム) |
分析例
- Cu-Fe-Ti-Mg合金サンプルを5箇所測定し、平均値(Avg.)および相対標準偏差(RSD)を算出しました(表3)。
- 添加元素であるFe, Ti, Mgは、繰り返し再現性良く測定できていることが分かります。
- Cu-Fe-Ti-Mg合金は、高強度、高電気伝導性を有した機能性金属で、端子やリード材などに使用されています。
- 水素脆化に繋がる酸素や、溶湯中の酸素除去のため添加されるPやAl, Siなどの測定も可能です。
- 主成分の組成だけでなく、添加元素・微量元素も迅速に分析できます。
表3. Cu-Fe-Ti-Mg合金サンプルの測定結果