可搬型固体発光分析装置によるアルミダイカストの元素分析
ダイカストは溶融した材料を金型に流し込み、複雑な形状の部品を高精度に大量生産できる鋳造法です。ダイカスト生産量の約95%をアルミニウム合金が占めており、特にAl-Si-Cu系合金は自動車部品をはじめ様々な製品に使用されています。
従来、自動車の製造工程では多くの部品を溶接によりつなぎ合わせて製造していました。しかし、近年は鋳造で一体成型する「ギガキャスト」が注目されています。「ギガキャスト」の採用は軽量化や生産工数の削減によるコスト削減などのメリットが見込まれるため、電気自動車の製造に導入されています。
「ギガキャスト」によって製造された車体部品は非常に大きいですが、可搬型の分析装置は製造現場での素早い評価に有効です。PMI-MASTER Smartは持ち運びができ、幅広い元素に対して繰り返し再現性のよい分析が可能です。
本資料では、PMI-MASTER Smartによるアルミダイカストの元素分析例をご紹介します。
装置性能評価
分析方法
光学系 | パッシェン・ルンゲ |
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焦点距離 | 300 mm |
回折格子溝数 | 1774 本/mm |
検出器 | マルチCCD |
観察波長範囲 | 185~420 nm(スパークプローブの場合) |
光学系雰囲気 | アルゴンガス |
認証標準物質 (CRM) |
SPEIRA 3301-2/3-03 (ADC12相当) |
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前処理方法 (切削) |
精密卓上旋盤Compact 9(東洋アソシエイツ) 回転速度:100~2500 rpm |
分析条件 | アルミニウム合金用分析プログラム |
分析結果
- Al-Si-Cu合金の認証標準物質を10箇所測定し、平均値(Avg.)と相対標準偏差(RSD)を算出しました(表3)。
- 全ての元素において、認証値と同等の結果が得られました。
- RSDは良好であり、精度良く測定できていることが分かります。*
* 検出下限値近傍および検出下限値以下の元素は除く。