FOUNDRY MASTER Smartによる炭素鋼の元素分析
炭素鋼は、一般的に炭素含有量が0.02~2.14%の鉄鋼材料であり、日用品から機械構造部品まで幅広い分野で使用されています。炭素鋼の中でも、炭素含有量や強度等によって、一般構造用圧延鋼材(SS材)や機械構造用炭素鋼鋼材(SC材)などに分類されています。
また、炭素鋼は用途によって熱処理を行い、硬さ等の性質をコントロールする場合があります。求められる性質によって、適切な素材と熱処理を組み合わせる必要があるため、素材の合金種を正確に把握することが重要となります。
本資料では、品質管理に適したFOUNDRY MASTER Smart(FMS)による炭素鋼の元素分析例をご紹介します。
炭素鋼の元素分析
分析方法
光学系 | パッシェン・ルンゲ |
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焦点距離 | 300 mm |
回折格子溝数 | 1774 本/mm |
検出器 | マルチCCD |
観察波長範囲 | 174~420 nm (最大波長671 nm Cu, Na, Li用) |
光学系雰囲気 | アルゴンガス |
認証標準物質 (CRM) |
BCS/SS-CRM No.435/2 (Bureau Of Analysed Samples Ltd.) |
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前処理方法 (研磨) |
卓上試料研磨機IM P2(IMT) 回転速度:50~400 rpm 研磨紙:炭化ケイ素(#80) |
分析条件 | FE_100(低合金鋼分析用プログラム) |
分析例
- 炭素鋼の認証標準物質を10箇所測定し、平均値(Avg.)と相対標準偏差(RSD)算出しました(表3)。
- 全ての元素において、認証値と同等の結果が得られました。
- RSDは良好であり、精度良く測定できていることが分かります。*
- 標準の分析プログラムで26元素の測定が可能なため、規格対象元素だけでなく、添加元素の分析にも対応できます。
* 検出下限値近傍および検出下限値以下の元素は除く。