2002年度作品「斜塔」
大空を背景に堂々とそびえたつ斜塔。その模様の精巧さとスケールでは、あの有名なピサの斜塔にも匹敵するのでは?
実はこの塔はParalia sulcata と呼ばれる珪藻です。表面の模様(細孔)は細胞壁に二酸化珪素(SiO2)が沈着して形成されたもので、細胞内・外との物質取交換に関わっています。殻に刻み込まれた模様は、まさにミクロの造形美。どうやって単細胞の生物がここまで巧みに構造を作ることができるのか、生命の神秘を感じざるを得ません。
2002年(第58回)日本電子顕微鏡学会
写真コンクール 金賞受賞作品
撮影条件
- 試料:珪藻(Paralia sulcata)
- 測定装置:高分解能電界放出形走査電子顕微鏡 S-4700
- 撮影倍率:3,000倍
- 加速電圧:2 kV
試料ご提供:日本歯科大学 南雲保様、文教大学 教育学部 出井雅彦様
*: 作成者の所属情報は作成当時の情報です。
*: この作品は日本顕微鏡学会主催、「写真コンクール」に出展された作品です。
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